大阪都構想ってなんですの?(ラッスンゴレライ風) 『体制維新―大阪都/橋下徹、堺屋太一』
キーワード
変革、仕組み、システム、維新、都市間競争、地方、広域行政、組織、自治
読んだ目的
2015年5月17日に大阪都構想の住民投票が行われます。僕は大阪府民ですが市民ではないので、今回投票権はもっていません。でも、大阪で生まれ育った者として、大阪の将来は気になるところ。そこで、大阪都構想について勉強してみました。
目的
大阪都構想によって大阪の何が変わるのかを知りたい。
学んだこと
システムを改革する
本当の改革とは、人事の交代や政策の変更ではなく、体制(システム)を変えること。人事や政策の変更・改革では効果がない。コアとなる部分、つまりシステムを変えなければならない。しかし、一般の市民にシステムは見えづらく、システム改革と言われても実感がわきづらい。
民主主義の時代に改革を行うためには、いかに市民にシステム改革の本質をわかりやすく伝えられるかがキーとなる。
システム改革の成功例
ゲームに例えると・・・
システム改革:ゲーム機の開発(ファミコン→64→ゲームキューブ→Wii)
人事・政策の改革:新ソフトの開発(マリオ、ポケモン、ゼルダ)
「これおもしろい!」と注目が集まるのはソフトである。これは経験からよくわかる。楽しかったという記憶が残っているのはゲームのストーリーや内容だ。しかし、これまでにない斬新な体験をユーザーに届けるなら、ゲーム機自体を更新していく必要がある。
知事の役割
府庁をひとつの会社とするならば、知事は会社の社長である。つまり、戦略を考え、大阪が進むべきビジョンを示さなければならない。大阪府民ひとりひとりと丁寧に直接向き合うことは知事の仕事ではない。
ビジネスはよく戦争に例えられる。知事や社長は三国志で言うなれば、諸葛亮孔明のような戦略家の役割である。直接戦いに加わることはないし、加わってはならない。
改革の2つのキーポイント
明治維新と大阪維新の比較
「人材登用」と「意思決定の仕組み」を変えることが改革のキーポイントである。
明治維新
版籍奉還によって、武士身分を廃止し、優秀な人材が等しく活躍できるようにした。
また、廃藩置県によって国の統治システムを創りなおした。
大阪維新
官僚身分の解放によって優秀な人材を昇進させ、能力のある人が活躍できるようにする。
感想
この一冊を読んだだけでも、かなり大阪都構想に関する理解が深まったように思う。説明もわかりやすかった。大阪都構想の実現は中間目標でしかない。大阪市や大阪府だけの繁栄ではなく、日本の将来を見据えたビジョンのもとに動いていることがわかった。
ただ、推進する側の意見なので、反対するほうの意見も検討しなくちゃいけない。まだまだ勉強の余地がある。
「都市間競争」や「政治と権力」に関連した本としては、大前研一さんの『日本の論点』か中田宏さんの『政治家の殺し方』を読もうと思う。
※個人的に理解・解釈したことなので間違っていることもあるかもしれません。ご容赦ください。